今回は、「株式会社PECOFREE」「株式会社株式会社オンラインドクター.com」の2社を取り上げます。
1株式会社PECOFREE概要
株式会社PECOFREEは、2021年に設立された福岡県を拠点とするスタートアップ企業で、学校向けのフードデリバリーアプリ「PECOFREE(ペコフリー)」を開発・運営しています。同サービスは学校と給食会社をマッチングするプラットフォームとして機能し、学生がスマートフォンから簡単に栄養士監修の弁当を事前注文・決済し、学校で受け取ることができるサービスです。学生は、栄養士が監修したメニューから食べたいランチを選択し、オンラインで注文、当日になると学校に設置され
た弁当受け取りBOXに配送されることで学生の元に栄養満点の昼食が届くシステムです。学生の氏名や連絡先などの個人情報はもちろん、支払い時のカード情報はシステムに保存されないため保護者も安心して利用できます。同社の主な事業内容は以下の3点でまとめることができます。
①スマートフォンアプリによる事前注文・決済:学生が簡単にお弁当を注文できる仕組みを提供し、利便性を向上させています。アプリはLINE上のLINEミニアプリを使用しているため誰でも使いやすく、学生の日常生活にスムーズに溶け込むよう設計されています。
②学校と給食会社の連携:効率的な配達と受け取りシステムを実現し、学校と給食会社の間で円滑なコミュニケーションとオペレーションを可能にしています。これにより、学校は給食サービスの品質を維持しながら、運営コストを削減できます。
③持続可能な食のインフラ構築:フードロス削減や地域経済の活性化に寄与することを目指しています。PECOFREEは地域の農林漁業者や食品産業とのネットワーク構築にも注力し、新たなビジネスモデルの創出に貢献しています。

【主要サービス「PECOFREE(ペコフリー)」】
①スマートフォンでの予約注文
PECOFREEでは、学生がLINEアプリを通じて簡単にお弁当を予約注文できます。学校から配布されるログインコードを入力するだけで利用開始が可能です。生徒は毎日3〜4種類の栄養士監修の弁当から選択でき、前日までに注文することで、当日学校に設置された受取りボックスで弁当を受け取ります。
②キャッシュレス決済
支払いは保護者がチャージしたポイントから行われ、1食あたり約450円〜と負担のない価格で提供されます。学生の個人情報はもちろんカード情報はシステムに保存されないため、安全に利用できます。
③栄養バランスの取れたメニュー
PECOFREEの献立は栄養士が監修しており、学生の健康を考慮したバランスの良い食事を提供します。月間で60種類以上のメニューがあり、多様な食事選択が可能です。
【同社が解決したい課題】
学校における昼食問題:多くの日本の高校では給食制度がなく、生徒は家庭から弁当を持参するか、食堂や購買部で昼食を購入しています。しかし、これにはいくつかの課題があります。例えば、食堂や購買部では売り切れが生じることがあり、すべての生徒が満足に昼食を得られないことがあります。また、学校側には食堂維持のコスト増加という負担があります。
共働き世帯の負担軽減:
共働き世帯が増加する中で、保護者が毎朝弁当を作ることは大きな負担となっています。PECOFREEは、学生がスマートフォンアプリを通じて簡単に栄養バランスの取れたお弁当を注文できるサービスを提供することで、この負担を軽減しようとしています。
学校・教育機関の食のインフラ強化:
PECOFREEは、学校と給食会社を結びつけるプラットフォームを提供することで、学校側が大規模な設備投資なしで給食サービスを導入できるようにし、全校生徒に栄養バランスの取れた食事を提供することを目指しています。
サプライヤーの収益低下問題:
給食業界では、栄養バランスと価格のバランスをとりつつ献立を作成することや、食数予測の難しさなどの課題があります。PECOFREEは事前注文システムによって必要な食数を把握し、フードロス削減にも貢献することで、サプライヤーの収益性向上を支援しています。

【今後の展望】
PECOFREEは現在、全国1200以上の施設で導入されており、さらなる市場拡大と国際展開も視野に入れています。2024年3月に実施した資金調達シリーズAラウンドに続き、2024年10月にはアグリビジネス投資育成株式会社を引受先とした第三者割当増資による追加の資金調達を実施しており、今後もアプリのUX向上や新機能開発、より多くの学校・家庭・給食会社の食のプラットフォームとして成長するための戦力強化に投資し、これまで以上に共働き世帯や学生の食の課題解決、地域における持続可能な食の実現に取り組んでいく方針です。同社は、「BATONpasstheHAPPY〜『食』であらゆる人がつながりHAPPYな世界をつくる〜」というミッションのもと、共働き世帯や学生、学校が抱える食の課題解決に取り組んでいます。これからも持続可能な社会づくりへの貢献とともに、新しい価値創造への挑戦が続きます。
【経営陣】
代表取締役社長川浪達雄
高校在学中から数々の飲食店での勤務を経験。産業給食業界にて14年間勤め、取締役として従事。産業給食業界での経験、また子供を持つ親としての経験をもとに、「共働き世帯が、高校生の子供にお弁当を準備する負担を減らしたい」との思いで、2021年に株式会社PECOFREEを設立。
【受賞歴】
ForbesJapanRISINGSTARAWARD2023最優秀賞
福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞2022大賞(福岡県知事賞)
西日本シティ銀行ビジネスコンテスト2020最優秀賞
西日本FH主催第1回『OPENINNOVATIONHUB2020』最優秀賞
2 株式会社株式会社オンラインドクター.com概要
株式会社オンラインドクター.comは、「患者ニーズを徹底的に追及する」をミッションに掲げ、オンライン診療プラットフォーム「イシャチョク®」を開発・運営する日本のスタートアップです。2020年10月に設立され、東京都港区に本社を構えています。近年、医療業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進んでおり、特に新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン診療の需要が急増しました。しかし、従来のオンライン診療は予約制が主流であり、柔軟な対応が難しいという課題がありました。株式会社オンラインドクター.comは、この課題を解決するために「イシャチョク®」という仮想待合室型のオンライン診療システムを提供し、患者と医師のマッチングをより効率的かつ柔軟に行える環境を整えています。同社は他にも、医療業界に特化したWebマーケティングのノウハウで、クリニック経営の課題をワンストップでサポートするwebマーケティング支援事業や受託開発事業を展開し、日本の医療界を前進させています。
【主要サービス「イシャチョク®」】
同社の主要サービスである「イシャチョク®」は、予約不要で診察が受けられる仮想待合室型のオンライン診療プラットフォームです。このシステムは、患者が仮想待合室に入ることでリアルタイムで空いている医師とマッチングされる仕組みを採用しており、急な体調不良にも迅速に対応できます。
①仮想待合室システム
患者はスマートフォンやパソコンから簡単にアクセスでき、仮想待合室に入ることで予約なしで医師とつながることができます。これにより、従来の予約制オンライン診療では対応しきれなかった緊急時や突発的な症状にも柔軟に対応できる点が大きな特徴です。
②三者間通話機能
「イシャチョク®」には三者間通話機能も搭載されており、遠隔地にいる家族や介護者もオンライン診察に付き添うことが可能です。これにより、高齢者や子供など、自分で意思決定が難しい患者でも安心して診察を受けられる環境が整っています。

【同社が解決を目指す課題】
株式会社オンラインドクター.comは、日本の医療業界が抱える複数の課題解決に取り組んでいます。特に以下の点における課題解決のためにソリューションを展開しています。
①地域医療格差の是正
地方都市など遠隔地では専門医へのアクセスが限られていることが多く、その結果として適切な治療が受けられないケースがあります。「イシャチョク®」は地域に依存せず全国どこからでも専門医とつながることができるため、このような地域格差を是正する役割を果たしています。
②医師の働き方改革
医師側にも大きなメリットがあります。「イシャチョク®」は予約不要型のため、忙しい外来業務や緊急対応と並行してオンライン診療を行うことが可能です。これにより、勤務時間外でも柔軟な働き方が実現でき、多忙な医師たちにも新たな収益機会を提供します。
③診療ロス削減
従来型の予約制オンライン診療ではキャンセルや時間変更などによって「空き時間」が発生し、その分だけ収益機会が失われていました。「イシャチョク®」では手が空いた瞬間に次の患者とマッチングできるため、このような無駄な時間を削減し、効率的な診療運営が可能になります。

【ビジネスとしての優位性】
株式会社オンラインドクター.comは、日本国内外で急成長中のヘルステック企業として注目されています。近年注目され増加しているヘルステックスタートアップの中でも同社が提供する「イシャチョク®」には以下のようなビジネス上の優位性があります。
①予約不要型という独自性
従来のオンライン診療プラットフォームは予約制が主流ですが、「イシャチョク®」は仮想待合室という新しいコンセプトを導入しています。このシステムによって患者と医師とのマッチング効率が飛躍的に向上し、利用者数拡大につながっています。また、この独自性によって他社との差別化にも成功しています。
②医師と患者双方へのメリット
「イシャチョク®」は患者だけでなく、医師側にも大きなメリットがあります。特に、多忙な医師でも空いた時間を有効活用して収益化できる点や、全国に患者を受付することができるため、地域にとらわれずに新規の感謝の獲得が可能になります。また、患者側も予約不要で迅速に専門医へアクセスできるため、高い満足度を得ています。
【資金調達と今後の展開】
株式会社オンラインドクター.comはこれまで複数回の資金調達を行っており、2022年10月シリーズAにおいて2,000万円資金調達を実施。今後はオンライン診療の枠を超えて保険相談をオンラインで完結させる、保険代理店向けプラットホーム「イシャチョクオンライン保険」のリリースなどを予定しており、さらなる成長が期待できます。
【経営陣】
代表取締役会長CEO鈴木幹啓
鈴木氏は小児科医として「すずきこどもクリニック」を開院。また、自身もオンライン診療を実施する中で感じた課題から「イシャチョク®」というプラットフォームを開発し、日本全国の医師と患者をつなぐ新しい形の医療サービス提供へと導いています。
【ステージ】
シリーズA